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セリアがミシェルと共に来たのは最終防衛地点。帝都に比べれば小さな城だが、それでも充分に大きい。
「ママ…」
「ご飯か? もう少し待つんだ。」
ミシェルは必ずアリスを連れて行った。戦いの時はさすがに城の中に待って貰うが、待機の時は二人で遊んでいる光景がしばしば見受けられる。
「お姉ちゃん、アリスを連れて来るのはどうかと思うわ。」
「大丈夫だ。アリスはドラゴンのハーフだからな。ちょっとぐらいは平気さ」
「それならいいんだけど……」
セリア達がいる所はわざと逃げて来た仲間達が最終的に集まる集合地点でもある。激戦になるのは間違いなしだった。
「陛下、罠を言われた通り全て仕掛けてきました。」
「味方はどれくらいいるの?」
「ほぼ全員、集まりました。後は敵が来るのを待つだけです。」
兵士が報告し終わったのと同時にドラゴンの叫びが聞こえた。他にも軍隊の雄叫びも聞こえる。
「来たようね。皆、配置について」
セリアがいる城壁の上で見える光景は圧巻だった。空はドラゴンが埋めつくし、地上には何万人もの兵がうごめいている。
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