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勝とうなんて更々思っていない。ただ4年後に絶対リベンジするからな、としか思っていないのだ。
セリアは城内にいる兵士達に聞こえるように魔法で声を拡張させる。
「皆、良く聞きなさい。死傷者は出さずに敵を殺るのよ。一人でも減ればその分だけ不利になるわ」
辺りはセリアの死ぬな、という言葉が響き渡る。実際、死傷者がゼロなんて夢の話しだろう。
しかし、兵士達はセリアの言葉に士気がドンドン上がっていく。
「私はまだ16歳よ。頼りない皇帝かもしれない。けど、最後まであなた達と戦うことを誓うわ。」
セリアは再び敵を目視すると近くの兵士に頷いて合図をする。するとどうだろうか? 敵の足下が突然爆発したのだ。爆発は近くの兵士を巻き込んでドンドン被害が広がって行く。
しかし、敵の数を減らした様には見えなかった。爆発が急に掻き消されたのだ。
それを見てセリアは舌打ちをする。そしてあいつが来ている、と悔しそうに言った。
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