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セリアは城壁から階段で降りて行く。後ろにはミシェルが付いて来ていた。
セリアは口を閉ざしたまま城門の前まで来ると父親のロサリアがセリアと同じ様に左側に刀を差し右側に剣を差している。
「セリア、どうしても行くのか?」
「ええ。」
「……そうか。俺は父親としては反対だ。ミシェルが出ると言っても反対する。だが……軍事司令官としては大賛成だ。上手く配置している。」
ロサリアはしかめっ面で言う。その横にいる近衛兵隊長でもあり秘書としても働いているレイカがいた。
「先輩、私も連れて行って下さい。私はあなたの護衛が仕事です」
「嫌よ。」
「そうですか……。だったら、私も嫌です。先輩が連れて行かないのなら私を倒して下さい。」
レイカは剣を取り出し自分の主に刃を向ける。レイカがセリアに勝てる可能性はゼロである。
それでもレイカは止めようと決意した。二人で敵の大軍に向かうのは自殺行為だと。
「レイカ、私は聞き分けがいい子が好きよ」
「嫌です。それに身内の始末は身内がつけるものです。」
「レイカ、正直に言うとあなたじゃ足手まといよ」
セリアの言葉はレイカの心を遠慮なく抉る。しかし、レイカは退こうとしなかった。
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