修業

3/25
前へ
/465ページ
次へ
大臣達はセリアがバン、と机を叩いてようやく静まった。 「……何か、問題でも?」 「反対です!!! 皇帝はそう軽々しく席を開けてはなりません」 「だから、総裁のお姉ちゃんに任せると言っているじゃない。婚約者と一緒に修業するだけよ」 大臣達は尚も反対意見を言うがセリアは話しを聞き流していた。 「別にいいじゃない。お姉ちゃんの方が私よりも上手くやれるわ。それに皇帝の席を開けるのもたったの五年よ」 「しかし、民の心が陛下から離れてしまいます。それでも良いのですか?」 「いいわよ。私はこの戦争が終われば皇帝をやめるつもりだから」 大臣は言葉を続けようとするがミシェルがその前に声をあげる。 「以上をもって、本日の会議を閉会する。」 有無を言わせないミシェルの言葉に渋々、大臣達は会議室から出って行った。残っているのは父親のロサリアにセリアとミシェルだけだ。 「父さん、用があるなら早く言ってくれ。そろそろ、アリスが目を覚ます。」 ミシェルがロサリアを急かした。余程急いでいるのか落ち着きがない。
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3693人が本棚に入れています
本棚に追加