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大臣達はセリアがバン、と机を叩いてようやく静まった。
「……何か、問題でも?」
「反対です!!! 皇帝はそう軽々しく席を開けてはなりません」
「だから、総裁のお姉ちゃんに任せると言っているじゃない。婚約者と一緒に修業するだけよ」
大臣達は尚も反対意見を言うがセリアは話しを聞き流していた。
「別にいいじゃない。お姉ちゃんの方が私よりも上手くやれるわ。それに皇帝の席を開けるのもたったの五年よ」
「しかし、民の心が陛下から離れてしまいます。それでも良いのですか?」
「いいわよ。私はこの戦争が終われば皇帝をやめるつもりだから」
大臣は言葉を続けようとするがミシェルがその前に声をあげる。
「以上をもって、本日の会議を閉会する。」
有無を言わせないミシェルの言葉に渋々、大臣達は会議室から出って行った。残っているのは父親のロサリアにセリアとミシェルだけだ。
「父さん、用があるなら早く言ってくれ。そろそろ、アリスが目を覚ます。」
ミシェルがロサリアを急かした。余程急いでいるのか落ち着きがない。
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