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セリアはゆっくりとミシェルに近づく。ロサリアは静かに見守っていた。
「お姉ちゃん?」
セリアの呼び掛けに答えず目を閉じたままのミシェル。セリアは必死に体を揺り動かす。
「お姉ちゃん、起きてよ!!!」
「落ち着け、セリア。」
父親のロサリアがセリアの肩を掴むがセリアはそれでも止まらない。その時である。姪のアリスが部屋に入って来た。
「ママ~」
アリスがお腹を抱えながらミシェルに近づく。セリア達はただ見るだけだった。
「ママ…。……肉」
これは恐らく肉が欲しいと言っているのだろう。この時、奇跡が起きた。セリアが揺り動かしても目を閉じたままだったミシェルが目を開けたのだ。
「鹿の肉しかないぞ?」
そして、第一声がこれである。セリアは静かに涙を拭う。ロサリアは脈拍を測っていた。
「正常だな。ミシェル、魔法は使って見てくれ」
ロサリアの問いに頷くとミシェルは魔法を出す為に手を出した。
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