修業

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セリアはやっとクロアを起こし動きやすい鎧を着ている。 実はセリアはこの練習試合が楽しみで仕方がないのだ。 セリアは城の近くにある修業用スペースへと向かった。ここでは普段、たくさんの兵士が練習をしているが今日は貸し切りである 修業用スペースに入るとセリアは口を開いた。 「4年間、修業をして一番初めに倒したかったのはクロアよ」 「うむ、我も簡単には負けんぞ? では、始めようか……」 修業の最終段階である。内容は至ってシンプルである。クロアという名の壁を越えなければならないのだ。訓練ばかりしてても実戦離れはしてはいけないという理由で定期的に実戦形式で戦う。 いつもはクロアの部下と戦うのだが今回は最終段階ということでクロアが直直に試合の相手をするらしい。 「セリア、ウォーミングアップだ。」 セリアはシュッ、という音が耳に入って来た時、サッと後ろへとバックステップする。セリアがいた所にはクロアが拳を突き出したまま止まっていた。 避けていなければ直撃なのは間違いない。しかも、魔王の拳だ。威力は桁違いに違いない。
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