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セリアはゆっくりと右腕を突き出す。
「光術:ホーリーブレイク」
セリアの右手から巨大な十字架が放たれる。しかし、魔王はこれを腕を一振りするだけでセリアの魔法は砕けちった。微弱な爆風が辺りを舞う。
「セリア、刀を使え。我、相手に遠慮などいらん。我がキブアップというまで追い込んでみせろ」
「言ってくれるじゃない」
セリアは刀を抜くと真っ直ぐ構える。そして前に屈み込んだかと思うと姿を消した。魔王は笑いながらポケットからナイフを取り出す。
「スピード勝負か……。いいだろう、受けてたとう」
そしてクロアも消えたかと思うと辺りに金属音が響き渡る。しかも、一回だけではなく何度も聞こえた。
(さすが、私の夫ね。隙がないわ。ならば、隙を作るまでね)
二人の動きは既に常人からは見えなかった。時々、魔法も放っているのか魔法独特の光も見受けられる。
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