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キーン、という少し大きな金属音が響いたかと思うとセリアが地面に倒れていた。
「貰ったわ」
近くには魔王が使っていたナイフの刃が刺さっていた。どうやら、セリアがナイフを破壊したようだ。
「うむ、我のお気に入りのナイフが……」
「もしかして、怒ってる?」
「そんな訳なかろう。さぁ、再開だ。」
魔王は持っていた刃がないナイフの柄を捨てると何もない所から漆黒の剣を取り出した。
「我が愛剣だ。この剣で幾つもの戦いに勝ったものだ。」
魔王の殺気が強くなった。セリアも自然と殺気を込める。お互いに緊張が走る。そして、セリアが動いた。
「光術:光明」
セリアの周りからはセリアを覆うように幾つもの魔法陣が浮かびあがる。そして追尾性を持ったビームが魔法陣から放たれた。
何度も何度も放たれる。一つ一つの威力も申し分なかった。何百もの光線は真っ直ぐ魔王に向かって放たれる。
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