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純白のウェディングドレス。実際に見てみるとこれから結婚するという実感が出てくる。
「ダルいわね」
「先輩。」
「ん?」
レイカはウェディングドレスをセリアに着せて整えながら言う。
「黙りやがれ、です」
「………」
「あ、それとダルいのは私の方ですからね。だいたい、何でこんな時に…」
レイカもこの四年間色々、あったらしい。皇帝の近衛兵隊長はちょっとだけ意地悪になっていた。
「レイカ、あまり苛めないでね? 式が終わった後にあなたの命の保証ができないわ」
「むぅ…。だいたい先輩が今日、式を挙げるからいけないんです。私の休日が潰れちゃいました」
「怒っていたのね」
セリアはクスクスと笑う。レイカはそのまま側にある椅子に座るとセリアに向かって答えた。
「別に怒っているわけじゃありません。少々、イライラするだけです」
「あら、そうなの? レイカのイライラが消えればいいわね」
「ハァ…。そういえば、未だ言ってませんでしたね。お帰りなさい陛下。」
それからレイカはセリアに向けて深々と頭を下げるのであった。
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