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セリアとレイカはそれまでのやり取りが嘘だったかのように楽しく談笑し始めた。
コンコン、とノックの音が聞こえた。セリアが返事すると父親であるロサリアが入ってくる。
「化けたな」
「なッ…。父さん、4年ぶりに会ったのに第一声がそれじゃああんまりだわ。」
「すまんすまん。あまりにも綺麗だったからな。おかえりセリア。それとおめでとう。」
ロサリアは柔和な笑みを浮かべながらセリアのウェディング姿を目に焼き付ける。
「お父さん、もう時間なの?」
「ああ、そうだとも。それとセリアに一つだけお願いがあるんだ。」
ロサリアはセリアを見ながら微笑みかけるとセリアを立たせた。
「早く、孫を産んでくれ」
「父さん、ぶっとばすわよ?」
「アハハ! 冗談だ。さぁ、行こうか花嫁?」
ロサリアの腕にセリアは手を添える。二人は部屋を出ていった。レイカは頭を深々と下げて見送った。
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