3693人が本棚に入れています
本棚に追加
二人が行くのは城。4年ぶりに中に入ったセリアは懐かしく思えた。
城には飾りつけが施されており、いつも以上に華やかである。壁には使用人達や兵士達。それに近隣に住む住民までもが祝いに駆けつけてくれた。
「陛下、おめでとうございます」
その言葉が何度もセリアに向かって話される。セリアも何回も会釈を返した。
「この扉の先に皆が待っているぞ」
「うん」
「緊張しているのか? ルベンス帝国の皇帝陛下とあろうお方が」
セリアは煩い、とロサリアに言い扉をあける。そこには家族達が横長の椅子に腰掛けてセリアを見ていた。
セリアとロサリアはゆっくりと歩くと壇上を登る。そこでロサリアはセリアから離れた。そして立ち代わる様にクロアがセリアの横につく。
「うむ、綺麗だな」
「クロアもかっこいいわよ」
二人は前を向くとミシェルが儀式様のローブを着て待っていた。そして優しい口調で二人に問う。
「汝、生涯この者だけを愛すと誓えるか?」
セリアの問いに二人は同時にハイ、と返事する。そして指輪を交換し誓いのキスをした。
周りから溢れんばかりの拍手の渦が巻き起こる。ミシェルは泣きながらセリアに抱きついた。セリアも嬉しいはずなのに涙が出てくる。
最初のコメントを投稿しよう!