《二話》イケメン執事登場

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 あわてて男の人の膝の上から降りようとした。 「おっと、急に降りたら危険だよ」  あたしの少しお肉のついた腰のあたりを押さえて男の人は止める。  いやん、凹凸がないのがばれるから、触らないでっ!  ナッツさんは知らん顔をしてあたしたちの後ろに立っていた。  父はあたしと男の人のやりとりをにこにこしたまま見ている。  や、やっぱり……。  お父さまの大切な話って、この人と結婚するからきみたちも仲良くなってね、ということですねっ!? 「だ、大丈夫ですから触らないでくださいっ!」  男の人は少し苦笑して、カーペットの上に足をおろしてしっかり着地したのを確認してからようやく手を離してくれた。 「うんうん、仲が良くて結構」  父は眉尻を下げまくってあたしたちをにこにこ見ている。  あああ、やっぱりそうなんだぁ。  なかなか再婚しないのもおかしいよねぇ、と思っていたのよ。  父ったら、そんな性癖を持っていたのね。  それでは母とはなんだったんだろう……?  ま、まさか偽装結婚!?  いや、でもあたし、どう考えても母の子だし……。  うーん……。  難しい顔をして唸っているのを父は不思議がっていたが、にっこり微笑んでとんでもないことをのたまってくださった。
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