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テーブルについて、驚いた。
作り手が変わると冷蔵庫に入っていたあの食材たちがこんなにも変わるのか、というくらい驚きの品々がテーブルに乗っていた。
「仕事柄、これくらい作れないとな」
あたしの感嘆の声に橘さんは満足げにそう呟いていた。
「お仕事って……。橘製菓でお仕事してるんじゃないの?」
あたしの疑問に橘さんは笑ってごまかしていた。
なんだ、そのごまかし。
あやしい。
ナッツさんがあたしの椅子を引いて座るように無言の圧力をかけてきたので黙って席に着いた。
あたしの正面に橘さんが座り、あたしの横になぜかナッツさんが座った。
そしてナッツさんは離れていたはずの椅子をぐいと引き寄せ、あたしの真横に持ってきた。
「千代子さま、はい、あーんして」
ちょっとまてい!
「自分で食べられますっ!」
なんでこの人はこんなに突っ込みどころ満載なことをやってくれますか?
ナッツさんから箸を奪い、いただきますと小さく合掌した。
ふと見ると、橘さんはやさしい目をしてあたしを見つめている。
「あ、あの……」
戸惑って橘さんを見た。
「チョコの口に合うかな?」
少し不安そうな表情でそう呟き、橘さんは食事を始めた。
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