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「どういうことって? 圭季くんも那津くんもなかなか好青年でしょ?」
父はにこにこと笑っている。
好青年……。
「ふたりが好青年だろうとなんだろうと、お父さん! 年頃の娘と見知らぬ他人、しかも男の人をひとつ屋根の下に一緒に暮させようだなんて! なにを考えてるのよっ!」
あまりにも興奮しすぎてはあはあと肩で息をした。
「ん? なにかあったの?」
なにかあったもなにもっ!
ナッツさんにはのしかかられるしっ!
……えーっと、あれ、それだけ?
いや、充分それだけでも犯罪級だわっ!!
「ボクは結婚していきなり見知らぬ人と暮らすよりかはとても前向きだと思うんだけどな」
同棲肯定派ですか!?
「おとーさま! そんな破廉恥なっ!」
父はおやおや、という表情であたしを見る。
「チョコは意外に古風な考えをするんだなぁ。結婚するまで身体を許さないとか、時代錯誤もいいところだよ。それにな、その考えはキリスト教的考えで……」
いきなり説教モードですか、お父さま?
「平安時代なんて通い婚という考えだったし……」
父の話は延々と続いている。
父に突っかかったことを後悔した。
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