《三話》立花センセ、ファンクラブ!?

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 学校の校門が見えたあたりで急に人の山に行く手を阻まれた。  その人数、ざっと見たところ十人前後。  えーっと、どちらさまでございますか? 「あなたが立花先生の補佐なの?」  リーダー格と思われる黒緑色のツインテールの人があたしに向かって口を開いた。  ツ……ツインテール……。  狙いすぎではないですか?  さらにそのツインテールを彩るように結ばれたかわいらしいピンクのリボンが「ワタシ、がんばってます!」感を出していて、なんともいえない哀愁が漂って見えるのは、あたしが冷め過ぎなのでしょうか? 「そうですけど……。あの、なにか?」  昨日、菊池先生にそう言われたので立花センセの補佐役のはずだ。  それがどうしたというのだろう?  肯定の言葉にその場の空気がざわつく。 「どうやって立花先生に取り入ったのよっ!?」  はい?  意味がまったく分からなくて、首をかしげた。 「取り入る? なにをですか? あたし、菊池先生にそう言われて……」  できることならあのだっさいセンセの補佐、なんてしたくないんですけど。  変われるものなら変わってほしい。
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