2433人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
あたしは日直だったので校内に走りこみ、職員室へぜーはーと肩で息をしながら滑り込んだ。
「お、おはようご、ございま……す」
朝の職員室は戦場だ。
準備で忙しく動き回る先生たちをぬって担任の机に向かう。
「菊池先生、おはようございます」
菊池先生はにっこり微笑んで日誌を手渡してくれた。
「立花先生とはうまくいきそうですか?」
先ほど遭遇した出来事を話そうと口を開きかけた時、後ろからだれかが来る気配がした。
「おはようございます、菊池先生」
振り向かなくてもだれか分かった。
でたっ!
元凶の立花センセっ!!
「ご心配なく、大丈夫ですよ」
なんであたしの代わりに答えているのよっ!
断るタイミングを逃してしまったじゃない。
立花センセはあたしの背後にいるからどんな表情をしているのかまったく見えないけど、なぜか菊池先生は頬を赤らめている。
……菊池先生も病院に行った方がよいかもしれませんよ?
菊池先生の態度にげんなりしながら教室へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!