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AM:10:23
授業
3年C級、歴史の授業にて
今日も熱心に授業を聞いている人物、鐘宮 日和。
金髪の髪とエメラルドグリーン色の瞳をしているが、決して不良だからでは無く、アメリカ人のクォーターである為である。
むしろ成績も良く真面目で人望も熱い優秀な生徒である。
学園内の生徒を統べる生徒会長の職務にもついており、まるで非の打ち所の無い鐘宮。
が、ただ一つだけ『汚点』があった。
静かに授業を進めている中、まるで雷が落ちたかの様にその男はやって来たのだ。
「邪魔するぜ」
「!!!!!」
その男の名前は神童 雅。
学園内一番の問題児である。
銀髪と赤い瞳、その大柄な体格と暴力性で『暴君』の名前がつく。
「また神童か!何度言ったら分かる!今は授業中…!!」
「黙ってろ…」
「ぃ…」
いきなり入って来た神童に対し注意する教師を眼光一つで黙らせる神童は正に『王』そのものである。
ギラリと光る赤目は、まるで今にも噛み付きそうな野獣の様であった。
腕っ節の強さも半端では無く、3年生も下手に神童に逆らえないでいた。
だから誰も口だしできないでいるのだが、1人だけ違っていた。
「雅!またお前って奴はぁっ…!!」
鐘宮である。
何を隠そう、椿・佐倉カップルに負けぬ有名カップルである鐘宮と神童。
そう、鐘宮の汚点はこの神童であった。
「はいはい…説教は良いから、行くぞ」
「いい加減にしろ!俺は授業を受けたいんだ!お前のせいで単位も危うくなるんだぞ!」
ズカズカと机の列の間を通り、自分の腕を掴み教室から出ようとする神童に対し、鐘宮は声を張り怒鳴る。
が、神童はお構いなし。
「うるせぇなぁ…ヤりたくなったからしょうがねぇじゃねぇか」
「ヤりっ…!!!!?」
「俺がヤりたくなったらヤるんだよ、黙ってついて来い」
「い…嫌だ…!!離せバカァ!!!」
抵抗も空しく、鐘宮はズルズルと神童に連れ去られるのであった。
そして、残された生徒と教師は、その後の鐘宮の姿を想像し悶々しながら授業を進めるのであった。
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