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朝、6時。
何となく聞き慣れた目覚まし時計を止め、ベッドから起き上がる。
今日のバイトは遅番だから、まだ寝てても良いんだけれど、朝ごはん当番をサボると、オッサンに怒られるから……オッサン、朝早いし……。
眠い目を擦ってリビングに入ると、俺は目を見開いた(いや、目が少し瞬きを忘れただけ)。
「うす」
シワの寄ったワイシャツを二段目までボタンを開けて、タバコを加えたその男……艶の忘れた黒髪をかきながら、俺を待ってたかのように、こっちをみた。
「遅くはねぇな。いつもはギリギリのくせして。悪い、今日は朝から会議だから早く飯つくれ」
少したれ目気味の目の下には黒いくまが出来ていて、徹夜で仕事をしたことが分かる。
「……だったら自分で作れよ!俺を待ってねーでっ!!」
俺が喚き散らすと、オッサンは頭を押さえながら喚くなと呟くと、深々息を吐き、タバコを揉み消した。
「朝ごはんぐらいつくれよ、追い出すぞクソガキ」
こンのヤロぶっ殺すっ!
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