act.01

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朝、6時。 何となく聞き慣れた目覚まし時計を止め、ベッドから起き上がる。 今日のバイトは遅番だから、まだ寝てても良いんだけれど、朝ごはん当番をサボると、オッサンに怒られるから……オッサン、朝早いし……。 眠い目を擦ってリビングに入ると、俺は目を見開いた(いや、目が少し瞬きを忘れただけ)。 「うす」 シワの寄ったワイシャツを二段目までボタンを開けて、タバコを加えたその男……艶の忘れた黒髪をかきながら、俺を待ってたかのように、こっちをみた。 「遅くはねぇな。いつもはギリギリのくせして。悪い、今日は朝から会議だから早く飯つくれ」 少したれ目気味の目の下には黒いくまが出来ていて、徹夜で仕事をしたことが分かる。 「……だったら自分で作れよ!俺を待ってねーでっ!!」 俺が喚き散らすと、オッサンは頭を押さえながら喚くなと呟くと、深々息を吐き、タバコを揉み消した。 「朝ごはんぐらいつくれよ、追い出すぞクソガキ」 こンのヤロぶっ殺すっ!
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