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『今日もお祈り行くんでしょ?』
ニコッと微笑みながらシュリアは母に尋ねた。
「そうよ」
「お前が一人前の大人になって我々ゴーレン一族の役目を担う様になったら,シュリアも俺の様に祈りの言葉を唱えるんだぞ?」
父がシュリアの頭を軽く撫でながら諭す様に言った。
『うん,任せてよ。私の美しい声でお祈りの言葉をとな…』
「姉ちゃん別に普通の声だよ」
『黙らっしゃい,コーバン(怒)』
いつもの様に調子に乗るシュリアに,弟のコーバンがツッコミをいれた。
「さ,もう時間だ。今日も神に感謝の気持ちをありったけ届けような」
「『うん!!』」
こうして,週に一度海に面する崖で行われるお祈りへと四人は出掛けて行った。
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