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シシトウのてんぷら!
ササカワは、呆れた。
何かを期待していたとは絶対に認めたくなかったが、思わず脱力した。
シシトウのてんぷら!
一人暮らしも7年が経つが、家でてんぷらを揚げたことなど幾度もない。
その自分が、シシトウのてんぷらを今日中に食べれば、何かいいことでもあるのだろうか?
トースターからぷんと芳ばしい匂いが流れてくる……いや、芳ばしいというには苦すぎる匂いだ。
しまった!焦がした!
何がラッキーアイテムだ、朝から損をしたじゃないか!
眼前に、昨晩の占い師の半眼の笑いがちらつく。
焼けすぎたパンに負けず苦い顔をして、ササカワはバターをいつもより多めに塗り、新聞を読み始めた。
シシトウのてんぷらか……そういえばオフィスのすぐ向かいにてんぷら屋があるな。
あそこの天丼ランチ、シシトウ乗ってたよなぁ……。
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