<1> 寝ても覚めても

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「夢の中で仕事してたんです。朝起きた時のショックといったら、それはもう」 「ふぅーん」  変に語尾の下がる声を漏らした男を見て、ササカワは妙な快感をおぼえた。  ざまぁみろ。こっちは深刻なんだ!  あんたみたいな得体の知れない他人に、漠然とした悩みを持ちかけたくなるほど切羽詰まってるんだ。 「ってことなんですが、どうにかなりませんかね?」  突きつけるように言ってやると、男は、癖のある黒髪に指をつっこんで呻いた……ように思う。 「うん、まぁ、どうにもこうにもねぇ」 「……は」 「僕ぁカウンセラーじゃないんだ。占い師だからさ、お門違いだよ」
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