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「夢の中で仕事してたんです。朝起きた時のショックといったら、それはもう」
「ふぅーん」
変に語尾の下がる声を漏らした男を見て、ササカワは妙な快感をおぼえた。
ざまぁみろ。こっちは深刻なんだ!
あんたみたいな得体の知れない他人に、漠然とした悩みを持ちかけたくなるほど切羽詰まってるんだ。
「ってことなんですが、どうにかなりませんかね?」
突きつけるように言ってやると、男は、癖のある黒髪に指をつっこんで呻いた……ように思う。
「うん、まぁ、どうにもこうにもねぇ」
「……は」
「僕ぁカウンセラーじゃないんだ。占い師だからさ、お門違いだよ」
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