プロローグ

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時間帯もそろそろ始業式が始まる頃。廊下も体育館へと向かう生徒たちでこみ始めていた。幸い音楽室方面はあまり人通りが少ないからいいが、始業式には新任の紹介もあるし、担任の発表もある。うかうかしているとそれこそ遅刻だ。 さわ子 「と……ここが軽音楽部部室兼音楽室……といっても、こちらはあまり使われてませんがね」 中はあまり広くはないが、部活をやるには十分なスペースだ。……まぁ、色々とごった返してはいるが。 響 「……このネック……たしか女子校ですよねここ。このギターさすがに女子高生が使うにはあまり向かないと思いますけど……」 しかも裏に名前まで書いてある。 なになに………“ギー太🎵”? さわ子 「音乃先生はバンドとかやられてたんですか?」 響 「……ええ。学生の頃に………」 さわ子 「私もなんです。あのぉ~……弾いてもらってもいいですか?」 手を合わせてお願いするさわ子先生。少々気が引けるが……まぁ弾くだけなら……。 響 「……はい」 ベルトを肩にかけ、ギター……もといギー太を握る。手に馴染んだ感覚が久々に蘇る。 響 「―――、」 教頭 「え~、次は本学期から赴任されました新任の先生を紹介します。音乃先生、お願いします」 始業式も終え、最後の新任教師紹介。やっと校長先生の長いお話しも終わってため息を一つこぼす。勉強も苦手だけど、この時間も苦手なんだよなぁ…… 響 《…先程ご紹介に預かりました、音乃 響です。科目は音楽で………》 へぇ~、新しい先生音乃先生っていうんだ……。 休み明け特有のだるさが未だに抜けない私はついつい居眠りをしてしまう。さっきの校長先生の話しもそうだけど、音乃先生の話しもまったく頭に入らない。ただ、周りの女の子たちがキャーキャー言ってるのはわかったけど……それ以外はまったく覚えてない。気づいた時にはもう全ての行事が終わり体育館を出るというところだった。 律 「にしても凄いよな唯は。あのやかましい騒ぎのなか寝られるんだもん」 唯 「えへへへ……未だに休みボケが抜けなくて」
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