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ドンッ!
「キャッ!?」
私が渡り終えた頃、奈々ちゃんが誰かに押されて踏切に入った。その瞬間、踏切が閉じてしまった。一瞬呆気にとられ、すぐに私は踏切にある非常用ボタンを押した。しかし、全く作動しない。もう電車は目の前に迫っているのに…
「助けて!!足が何故か動かない!」
「何だって!?奈々ちゃん!!待ってて、今助けるから!」
私は勇気を振り絞り、踏切を乗り越えようとした。しかし乗り越えようとした途端に、踏切が上がって私を投げ飛ばした。まるで誰かが動かしているみたいだ…
一方の奈々ちゃんは謎の金縛りで足が動かない。何度も叫んで電車を止めようとしたが、電車は気づかずどんどん迫っていた。奈々ちゃんは絶望を感じ、次第に叫び声は恐怖と悲痛の涙声に。
そして直撃する直前…
“可愛いね…君なら僕の嫁に相応しいね…”
「えっ…だっ誰な…」
グジャッ!!
奈々ちゃんは私の目の前で死亡した。電車と衝突して、辺りに血と肉片が飛び散った。
事件から1年後。携帯機種変に伴って、私はフォルダーを整理していた。すると、奈々ちゃんの最期の写真を見つけた。思わず涙を流しそうになったが、よーく見た途端に凍りついた。
謎の手が奈々ちゃんの足を鷲掴みし、彼女の足の間に謎の男の頭の上半分が写っていた…
完
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