【騎士、選定の剣を前に】

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【騎士、選定の剣を前に】

強さとは正義の証 正義とは剣が流す血潮 痛みは汝の生きし声 戦場に掲げる軍旗の唄よ 敵は心中なる怠惰なり 蒼き草原に夢見て 騎馬は幾多の時を駆ける 背に傷は負う勿れ 敗走は無く即ち勝ちも無く 敵の山に剣を立てん 王たる姿勢は謙虚なり 民は汝の盾であり 仇成す者を断ち切りし 絶対無二の剣なれ 約束された勝利の元に 荘厳たる気風にも 日々の鍛練糧なれば 驕る姿は剣を鈍らせ 戦の中での恥なる汝を 騎士は永劫嘲笑う 愛に汝の眼を赦すこと 即ち民の苦行なり 餓えた者が望むのは ミューズの接吻より ただ一切れのパンなりや 身体は剣と成り果て 心は変わらず薄い硝子 幾度の戦場を負けず たった一度の勝ちも無く ただひたすらに斬る 約束された勝利の果て それは汝が望んだ唯一の 平和だったのだろう 騎士よ、汝に問う その剣の意味に 迷う事はあるまいな? ‥‥アーサーよ
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