プロローグ

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「お疲れさまでしたー」 いつも通り仕事を終わらせ、スタッフ達に軽く挨拶する。 「おぉ、お疲れ! 早く帰って寝て疲れとれよー これからに響くからな」 ガハハと豪快に笑うカメラマン。 「そうですね、それじゃあ失礼します」 出入口付近のドアに手をかけ、少し振り向いて会釈した。 この業界に入ったばかりの頃は全員に挨拶したりと、面倒なことばかりやっていた。 けれど、そこそこ慣れてきたあたりで、全員に挨拶して回らなくても良いんだと今更なことに気づき、全体に一言声をかけるだけにした。 外は雨。 少し肌寒い初夏の頃、 俺はとんでもないモノを拾ってしまった。
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