いつか、再び

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「俊哉、素敵よ」 白いタキシードに着替え、胸には小さな花束。 髪をワックスで整え、その時を待っていた。 「全く! こんな新郎いないわよ? 花嫁に支度を手伝って貰うなんて!」 そう怒りながらも、顔をほころばせる花嫁。 それはさながら絵本から抜け出してきた、まばゆいばかりの、お姫様のように美しかった。 「ねぇ、俊哉? あたしの事……」 不安そうな表情で、上目遣いに見上げる花嫁に、満面の笑みを見せ頷く。 「お前だけを愛してるよ。美佐子」
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