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――あの日。
亮は飛び降り、即死。
何も出来ず、俊哉は途方にくれていた。
一度部屋に戻り警察に通報しようと、携帯を開く。
何故かそこには、美佐子からの着信が入っていたのだ。
慌ててかけ直すと、寝起きのような声で、美佐子本人が出て、安否を確認するがどこにも異常はなかった。
ようするに、ただ眠らされていた事が判明。
電話を切ってすぐに、パトカーのサイレンの音が鳴り響く。
通行人からの通報らしかった。
俊哉は立ち上がり、事情説明をしに向かおうとするが、部屋に残されていた物に気がつく。
それは、亮の愛用していた白い携帯。
そしてもう一つ。
寄り添うように、シルバーピンクの携帯が転がっていた。
俊哉は、二つの携帯をクローゼットの引き出しにしまい、警察へと出頭したのである。
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