いつか、再び

3/11
前へ
/213ページ
次へ
――あの日。 亮は飛び降り、即死。 何も出来ず、俊哉は途方にくれていた。 一度部屋に戻り警察に通報しようと、携帯を開く。 何故かそこには、美佐子からの着信が入っていたのだ。 慌ててかけ直すと、寝起きのような声で、美佐子本人が出て、安否を確認するがどこにも異常はなかった。 ようするに、ただ眠らされていた事が判明。 電話を切ってすぐに、パトカーのサイレンの音が鳴り響く。 通行人からの通報らしかった。 俊哉は立ち上がり、事情説明をしに向かおうとするが、部屋に残されていた物に気がつく。 それは、亮の愛用していた白い携帯。 そしてもう一つ。 寄り添うように、シルバーピンクの携帯が転がっていた。 俊哉は、二つの携帯をクローゼットの引き出しにしまい、警察へと出頭したのである。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6812人が本棚に入れています
本棚に追加