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しばらくは、忙しく飛び廻る日々を過ごしていた。
そして、亮の葬儀を終え帰宅すると、俊哉は改めて携帯を引き出しから取り出し、二つを並べる。
何となく分かっていた。
亮は何かを言いかけていた。
それは今でも引っ掛かり、俊哉の胸に支えている。
まずは、吉川ななのシルバーピンクの携帯を開く。
メールの未送信ボックスをクリックすると、俊哉の考えていた通り、三年前の7月30日のメールを発見する。
件名:亮へ
07/30 22:15
宛先:
【今このメールを見ているという事は……
俊哉は涙で歪む視界で、残されたメールを読み続ける。
このメールを亮は読んだのであろうか?
そこにはこう書かれていたのである。
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