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ななは心から、亮を愛していた。
日々やつれ絶望の淵に立たされ、恐怖に怯える。
そんな中、狂う事でその苦しみから、逃れようとしていたのだった。
「亮、お前……なんで死んだんだよ? 吉川はお前を愛してたのに……」
ふと、涙に濡れる顔を上げ、俊哉は気づく。
最期の言葉を思い出したのだ。
“願い”
亮はちゃんとメールを読んだのだ。その上で、事件を起こした。
俊哉は、もうひとつの携帯を拾い上げる。
そしてキーを操作すると、やはり残されていた。
日付は、事件の起こる前の夕方。
そこに記されているのは、亮の遺書。
それは、俊哉に宛てて書かれていたのである。
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