道無き道を往く

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そして現在 命からがら逃げ出したレイジは次の街への街道を歩いていた。 途中何度も振り返り追っ手が来ていないのを確認し溜め息をついたこと数十回。 今度の街ではひっそりと生きていこう、そう心に誓うのであった。 リリ 「ところでレイジ様。 わたくし達はどこへ向かっているのですか?」 後ろからレイジにこれからの行き先を問いかけたのは回想の中にも出てきたメイドのリリ・アインツ。 とあることからレイジの旅に同行することになり、今もこうして一緒に次の街に向かってる。 得意技はメイド式鉄甲術というあやしげな武術?でレイジの心をチクチクとイジることを楽しみとしているふしがある。 レイジ 「どこかは考えて無かったけど。 そうだな、このまま真っ直ぐ行けばソロンって街に着くみたいだな。」 リリ 「ソロン、ですか。 聞いた事はあります。 確か宗教色の強い所で王族や貴族階級の人間が少なく民主制度によって成り立っている街でしたね。」 レイジ 「随分詳しいな。」 リリ 「いえ、メイドとしての嗜みでございます。」 ある程度の知識もメイドとして当然だと目の前のメイドは言う。 レイジはそのまま視線をずらしリリの手元を見る。 リリの手には鉄甲、いわゆるガントレットが装備されている。 以前聞いたところによると戦闘するのもメイドとして当然の嗜みらしい。 が、今回はあえてそこはスルーした、結果的にまたレイジが精神的にいたぶられるのが目に見えていたからだ。
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