8173人が本棚に入れています
本棚に追加
言われてから初めて気付く。
最初はそんな余裕も無かったが時間が経つにつれ、背中の物が何なのか少しづつ分かってくる。
体をゆっくりと起こし背中の物を優しく扱う。
そして初めてそれを見て一言。
レイジ
「え~と、誰?」
背中におぶさっていたのはリリの言う通り人間でレイジには全くもって見覚えのない人物。
そこが地面であることも気にせず、胡座をかいて考え出す。
見た目は小さい女の子で髪の毛はウェーブがかっていて、色はミルク色。
目は瞑っていて気絶しているのかと思いきや
「あぁ~ん、ダメですよ~むにゃむにゃ」
等とベタな寝言が聞こえる辺り、驚くべき事に寝ているらしい。
顔は化粧っ気は無く、どちらかと言えば美しい、ではなく可愛い、の部類に入る方ではないかとレイジは思う。
どこか丸みを帯びピンクがかった頬や、ぷっくらと突き出した淡い桃色の唇等が幼さを強調しているのかもしれない。
リリ
「レイジ様、寝ている幼女に何をするつもりですか?
いくら何でもそれは犯罪です。」
レイジ
「ちょっと待て。
まだ何もしてねぇしこれからもするつもりは無い!
っつかいきなり現れたコイツに対してのつっこみは一切無しか!」
リリ
「ここで考え込むのは自由ですが、誰かに今のレイジ様を見られたら厄介な事になりますよ?」
言われてレイジは今の状況を分析。
盗賊の格好をした青年が道端で幼女の寝顔をのぞき込んでいます。
リリ
「盗賊の幼女を見る顔はいやらしく犯罪の匂いがします。」
レイジ
「状況分析に変な項目を付け足すな!
そして俺はそんな顔はしてねえ!」
最初のコメントを投稿しよう!