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何処かで見たような気がするんだけどな……
小さな引っかかりを感じるもそれを思い出す事は出来ず、記憶に霧が掛かった様な感覚が彼女を襲う。
アリーシアの胸にはもどかしさからえもいわれぬ不快感が渦巻いていた。
そんな中不意に彼女は自分の体の異変に気付く。
痛っ……何?
ナイフで刺されたような尖った痛みが手の平に広がり、無意識の内に握りしめていた手の平を開くと白い羽根が彼女の指先をかすめハラリと舞い落ちた。床に落ちたその羽根をそっと指でなぞるアリーシア。するとそれは彼女から逃げる様に小さく浮き上がりふわりと消えた。
「アリーシア、私をみつ……け……て」
何処からともなく声が聞こえてきたその刹那、物凄いけだるさに体中を支配され意識を手放したアリーシアは、また深い眠りの中へと堕ちていった。
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