負の獣道

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「で、どこをのっとるかは決めているのか?」  ジュリアはアルフレード達に聞いた。全員が口を閉じ、俯いた。アルフレードが言う。 「実はまだ決めてないんです」 「こっちもか……」 「も……?」 「あぁ、私達もどこか適当な所をのっとるつもりだったんだ」  ダリオ、エルモも近づき、皆が考え始めた。そしてダリオが口を開いた。 「うーん。この人数で攻められるといえばどこになるんだ?」  少し考えた後ジュリアが答えた。 「……。暴君が治める所だな。呼びかければ人数は必ず増える。場所にもよるが、万単位で増えるはずだからな。今の数では不利でも、そこなら増やせる」 「んじゃあ、そこにすればいいんじゃないか?」 「そうだな。のっとっても人民の反発があっては無意味だからな。そこにすれば反発はないはずだ」  とジャン。 「なら、多数決だな。暴君が治める所でいい人は手を挙げて。はーい」  とレンツォが言うと全員が手を挙げた。 「じゃ、これで決まりだな」  カルロが言った。 「で……僕達は社会から隔離されていたので解らないのですけど、暴君はどこの人にするんですか?」  エルモが聞いた。アルフレード達は口を閉じた。 「実は吾が輩らも最近まで社会から隔離されていたのだ」  とルカが始めた。彼は憂鬱そうに続ける。 「だから社会のことについて知っていることはお前らとそう変わらんのだ」  そこでウリッセが言った。 「では、知ればいいのではないでしょうか」 「……どういうことだ?」  とレンツォ。しかしジュリアとアルフレードとルカはわかっていた。  ジュリアが言う。 「つまり探そうというか」 「そうです。ここはさがしませんか?」  そして皆は再び黙り始めた。
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