負の獣道

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 彼らは街から離れ、やがて街から見えなくなった。  最後に降りた男が言った。 「エルモ。向こうで実のなってる木があったぞ。採りに行かねえか?」  その誘いにエルモと呼ばれた男が答える。 「僕はいいけど……。どうする?ジュリア」  女は答えた。 「二人で行ってこい。エルモ、ダリオ」 「ん。じゃあ行ってくるね」  エルモはそういうとダリオが向こうと言った方へ行った。  残ったジュリアはロンパイアを点検し始めた。  盗賊が出始め、戦闘になることが多々あったから、肝心なところで武器が壊れないようにしなければならないのと同時に、手入れを怠るとただの金属の塊になりかねないからだ。  しかしジュリアのロンパイアのは鉄でもなければ青銅でもなかった。金属光沢のある赤い金属だった。どこに聞いても解らない、不気味な素材だった。  それでも質は良かった。鉄の盾も斬ることが出来、岩も砕いてみせた。形も突き・斬り両方に対応することが出来る。  このロンパイアをジュリアが手に入れる事が出来たのは、前の持ち主が変人だったからだ。  彼はジュリアに近づくと、このロンパイアを押し付けて去っていったのだった。  そのロンパイアは、先の戦闘でも刃こぼれ一つなかった。 「全く不思議だな。これは」  すると向こうから果実を沢山もった二人が帰っててきた。  ジュリア達は街からすでに20日歩いていた。途中寄った村で食料を補充したものの、食料は尽きそうだった。  そのような時にあの果実は嬉しかった。食べてみるととても美味しく、みんな3つづつ食べた。
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