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果実が日持ちするかは知らなかったが2人は果実の他に食用の草や根を採ってきていた。
草はともかく根は日持ちするはずだ。
腹が満たされ食料の心配もなくなると、3人は今度の事について話し初めた。
「ジュリア。この後俺達どうするんだ?」
「皆帰る場所がないのか?」
「俺はねーぞ。皆焼けちまったからな。エルモはどうだ?」
「あるわけないでしょ。僕は売り渡されたのに。ジュリア……はその様子じゃないみたいだね……」
「あぁ、全員殺された。殺されてなかったら皆で帰れたのだが……。すまない」
少し沈むジュリアにダリオが軽いノリで言う。
「そうだな。そういえばお前来たばっかりの時お嬢様って感じだったな」
「ダリオ。そうだなはないでしょう。ジュリアが謝る事ではないし、ジュリアの家が襲われなかったら、僕らはあのまま抜け出せなかったんだよ」
エルモは少し怒り気味に言うが、ダリオは気にせずまた軽い口調で言う。
「あと兵士がサボりだったおかげだな」
「うん。あの人らは立っているだけだから」
エルモは低い声で同意した。
「ハハハハ。頭の中は女の事でいっぱいだからな」
その時ジュリアはパンッと手を叩いた。
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