物語の詩

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少年は愕然としました。 少年の行動すら『少女』の書いた物語の一つの通りだったのです。 『少女』の物語は終わらない。 『少女』の物語からは逃げられない…。 「なら…なかったことにすればいい!」 少年は棚からマッチを取り出すと近くの本を燃やしました。 少女の書いた本を、絵を、人形を…子どもにされた人間を。 少年は燃やしました。 「これで終わりだ…」 少年は隠し持っていたナイフを手に微かに嗤いながら囁きました。 焼け落ちる家。 残らぬ物語。 少年は知りません。 最後の最後に残った頁に 永遠に逃れられない 少年の物語があることを…。
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