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そんな孝史君の手をさり気なくかわしながら
私は、少し躊躇いながらも笑顔で孝史君を振り返った。
「ごめんね?…でも今日は、これから約束があるから――…」
すると、満面の笑みを湛えていた孝史君の顔が、みるみる強張り
そのクリクリの瞳を上目遣いにして、私の顔を窺うように口を開いた。
「やっぱり……あの噂は、本当だったんですか?」
「…え?」
「その……例の…『チャラ高』の人と付き合ってるって」
心なしか肩を落とす…そんな孝史君の様子に、思わず振り返ると
彼は、その可愛い額に思いっきり皺を寄せながら、私に向き直っていた。
「えっと…あの――…「ぼっ僕は、反対です!!!」
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