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「そっそんな、大げさな…「でも、もう大丈夫ですッッ!!!!!
これからは――…」
「……は?」
「これからは、僕がこうして菜摘先輩をお守りしますからッッ!!!」
大船に乗ったつもりで安心して下さいッッ――…と孝史君は
更に又、その手でしっかりと私の両手を握りしめ、一点も曇る事の無いキラキラとしたナイトな視線を投げかけてくるから
「…………」
(なんか…
また、ややこしい事に……)
と心の中では、思いつつも
そうしてニコニコと、番犬然として意気揚々と私と肩を並べて歩き出す孝史君に
それ以上強くも言えないまま……
ともかくも私は、かなり遅れてしまった雄太との待ち合わせ場所に急いでいた。
……………………………
…………………………
「キャーー…なんか、あの男の子カッコよくない?」
「ホントだぁぁ~~~ッッ!!すっごく可愛いよね~~」
「でも、何か人待ちっぽく無い?」
「ってゆーかさぁ~、さっきから、ずっとあそこに立ちっぱなしだよね~」
「…………」
(これは……
もはや、何かのプレーなのか――…)
俺は、周りの好奇とも言える視線を浴びるとも無く感じながら
待ち合わせに一人ぽつりと、かれこれもう1時間近く立ち尽くしていた。
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