宇宙の果てまで捕まえて

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「バーチャルとはいえ、お婆ちゃんを殺すのはなぜか抵抗があるんだよね」 「あはは、分かる分かる! 4:1くらいの割合でお爺ちゃんが死ぬ!」 「なぜか叔母や叔父は死なないよね、やっぱり死に直面するって考えると信憑性の問題もあるのかな」 「自分の中でのリアリティーもあるんじゃないかな? お爺ちゃん死んだら悲しむけど、叔父さん叔母さんが死んじゃっても正直『そっかぁ……』以上反応できないじゃない」  帰宅後、計ったかのようなタイミングで携帯電話が鳴り、秋穂に報告を兼ねて一部始終を話し、今後の僕の行動について相談していたのだが、気づけば話題はバーチャル死亡率の統計についてになっており、脱線も甚だしい。 委員長ながらサボりにも寛大な辺り、秋穂の器は未だに計り知れない。 「で、遠野さんなんだけどさ。実際どう思う?」 「え? うーん……あそこより大きな病院って他にあったっけ……?」  中略し過ぎな会話内容でもそれなりに成立するということは、秋穂も同じ解答に行き着いているのだろう。 事実、僕もクラスメイトとしてはその対応が一番彼女にも自分自身にも最良だと信じている。 「でもね、別に遠野さん今日急に興味持ちました! ってことじゃないと思うんだけどな」
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