宇宙の果てまで捕まえて

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「じゃあさ、僕明日――」 「行くしかないだろうねー。ご指名だし? その状況でまた私がついていくのも変だし。バーチャルお爺ちゃんのご冥福を祈る間に葉っぱが散っちゃうとか、私そこそこ悪評垂れ流しちゃうかも」  勇気も度胸も一切加点されない、見事なまでの死刑宣告だった。 「あははー、人付き合い苦手だから巧いことバランスとって生活してたのにねー。でもさ、遠野さん悪い子じゃないって」 「さすがに地球人以外と話すスキルは今の僕には無いぞ……」 「え? 嘘、やだ。ひょっとして何%か信じてるの? 遠野さんの話」 「秋穂の方がよっぽど酷いじゃないか!」 「だから私初めから言ってるじゃん。『あそこより大きい病院あったっけ?』って」  溜まりに溜まったやり場の無い憤りを携帯電話にありったけ込めて投げ飛ばす。 もちろんそんなもので怒りが緩和されるはずも無いが、自分の中で処理するよりいくらかマシだ。 折鶴を持って行っただけでここまで想定外の事態になるとはさすがに考えておらず、思い返すと今朝から始まる全てが秋穂の罠だったのかもしれない、とすら思えてくる。  明日受けるであろう精神的苦痛をあらかじめシミュレーションしておくことで、せめて耐性をつけておこうと試みつつ、結局苦痛が二倍になるだけだと気づいた僕は大人しく眠るしかなかった。
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