cry cry cry

3/3
前へ
/20ページ
次へ
「ごめんな? 泣くのってすごいエネルギーいるのにな。」 とても珍しく、少しすまなそうに、結城にそっと頬に触れられて。 お前のせいで泣いているのに、触らないで欲しい。 ……それでも、自分でも知っていた。 感情も、感覚も どれだけ鈍くなっても。 結城、お前に関しては 戻るんだ。 ほら、だから涙が出ている。 久しぶりの涙。 前に泣いたのも、絶対にお前のせいだった。 そっとそれを拭われる。 結城の指。 少しはすまないと思ってくれているのだろうか。 少しは変わってくれるだろうか。 なあ、結城。 「でも俺、お前が泣いてるの見るの…大好きなんだよな。」 ああ、とびきりの笑顔で。  悪魔は俺に、    そう言った。 end
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加