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「え~、今日から新しい友達が転校してきます。それじゃあ入ってくれ」
このクラスの担任、原田 島尚(ハラダ シマヒサ)が、朝のホームルームが始まると小学校で使われそうなテンプレートな言い方で転校生を招き入れた。
「じゃあ、自己紹介してくれ」
原田はきな粉の入った袋を手に、パイプイスを端へ持っていって座った。
だが、その原田の動きを最後まで見届けることは出来なかった。
なぜなら……。
「初めまして、今日から東三谷高校に転校してきました。
有谷華野美です。
よろしくお願いします」
原因は原田が教卓を離れた後に教卓の前に現れた人だ。
身長は169ぐらいだろうか。そしてバストはグラビアアイドルにも匹敵するであろう89㎝だ。高校生でこのサイズだと卒業するときはかなり期待できる。顔はもちろん綺麗に整っており、腰までの黒髪は光を浴びて綺麗な輝きを見せていた。
俺の中の美少女ランキングで絶対にトップ3には入る可愛らしさだった。
「くっ、美姫並みにいい胸してんじゃねぇか……」
右隣の美姫は照れて下を向いていたが、回りにいる他の女子からは冷たい目で見られた。だが、男子はうなずいて同意してくれた。
そんなことをしていると斜め後ろの席の男子が席を立った。
白鳥 飛鳥だ。静まった教室で飛鳥は言った。
「2年A組を代表して言わせてもらう。華野美、ようこそ2年A組へ」
すると他の生徒たちから拍手がおきる。
「飛鳥くんに捺くん、よかった同じクラスで」
その華野美の小さな呟きは確実にクラスメートの耳に届いた。
…………飛鳥と華野美は既に知り合っていたのか……。
ちなみに捺ってのはフルネームで[葉山 捺(ハヤマ ナツ)]は飛鳥の友達でただの人間だ。
しかし、飛鳥が華野美と既に接触していたのは少し調べる必要がありそうだな。
まったく、誰が敵かわからない状況は思った以上に疲れるな。
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