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その後、美弥たちと別れ、帰宅した俺らは晩飯まで各自待機ということになった。
俺は一人ベッドの上で仰向けになり天井を見上げていた。そして呟く。
「暇だ…………」
あまりにも暇だった。今日の食事当番は将野と風蓮なのでかなり美味しいものが期待できるのだが、やはりどうしても待ち時間が暇になってしまう。
「トランプでもするか……」
起き上がると横の机で充電していたケータイを掴み、アドレス帳を見る。その中からキュラと美姫とリディア(猫のくせにケータイを持っている)ににそれぞれ送信する。あえて一斉送信では送らないのだ。
宛先:リディア
件名:暇だから
内容
トランプやらない?
部屋で待ってるよ。無理だったらメールよろしく!
送信、次はキュラに送ろうか。
宛先:久弥 瀬知
件名:大事な話があるんだ
内容
俺の部屋に来てくれ。
バスローブで。
よし、送信。最後は美姫だな。
宛先:水越 美姫
件名:今日のパンツの色は水色だったね(^o^)
内容
似合ってたよ(//∀//)
グヘへ…………。
部屋で待ってる。
送信。そして待つこと五分ぐらい。ドアの下の方からノックの音が聞こえた。俺は扉を開き、客人を招き入れる。
「リディアいらっしゃい」
「お邪魔します。他に誰か呼んでないの?」
ピョコピョコと二本足で歩く猫を見ていると凄く癒されるなぁ。
「一応キュラと美姫を呼んである」
テーブルを取り出して、そばの床に座布団をだして座る。リディアにも座布団を勧めるが、リディアは首を横に振りそのまま床に座った。
「で、トランプで何する?」
それは盲点だった!
「何を大げさに驚いてるのさ」
リディアが苦笑(猫なのでよくはわからない)をしながらトランプを混ぜ始めた。……猫もトランプ混ぜられるんだ…………。
とりあえずトランプで何するか……。そうだ!
「じゃあ、まだ二人だし……。あえてババ抜きやろうか」
「そのあえては必要ないと思うよ!? というかどっちがババを持ってるかわかっちゃうじゃん!」
「それが逆に面白い!」
「そんなことないと思うけどなぁ!」
そんなこんなでババ抜きを始める一人と一匹。なんてシュールな光景なんだ……。
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