第一話 平和

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 まさにそれは不意打ちだった……。 「………………ッ!」  まさか、まさか棚の角に足の小指をぶつけるとは…………。 「何をバカやってんのよ……」  時間は午後一時。窓から差し込む木々の木漏れ日をバックに一人の少女が俺、木島 恭二(キジマ キョウジ)を見下ろしていた。  肩までの長さの茶色の髪が光を反射してキラキラと輝いていた。  体を学校指定のセーラー服に身を包み。  胸部は綺麗な曲線を描いている。  整った目鼻顔立ち。俺の中の美少女ランキングでもトップクラスの女子である。  容姿端麗、運動神経抜群で勉強にしてもトップクラス……。  それこそ非の打ちようもない完璧な人間だろう。  ラノベ的にはここで。 [性格を除いては……]  と、続いて。ツンデレキャラだということをカミングアウトするとこだろう。  しかーし! この少女は違う。  面倒見が良く、他人を思いやる心をもっている。  この少女には他にも伝説となるほどの善行を行ったこともある。  まあ、それはまたの機会に話すとしよう。  それよりも、あの白い布は何の布だろうか……。 「恭二? 大丈夫? 何を見て…………」 と、そこで彼女、水越 美姫(ミズコシ ミキ)の口が止まる。  俺の目線を追って自分の下半身を見、俺の顔とを交互に見ると。  みるみる顔を赤くして……。 「何見てんのよ!!」  スカートを押さえながら床にへばっている俺の顔面に蹴りを繰り出した。  ……まあ…………時々暴力的なのは一種の萌え要素っていうよね。  
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