19人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
そんなこんなで寮の一階に位置する食堂へと到達する。
食堂の扉を開けば見知った顔が揃っていた。
「って姉さんも今日はこっちで食うのか?」
「そうだけど文句ある? それと、毎回言ってるけどアタシの事は先生と呼びなさい」
このつれない性格の女は。俺の姉にして、東三谷高校の古典の教師をやっている。名前が。
木島 深菜(キジマ ミナ)
なんていうか、女の風格がある、女の中の女…………。
自分で言っといてなんだが、イマイチ意味がわからんな……。
とにかく、できる女って感じだ。
一応言っとくが、姉さんは正真正銘、人間だ。
「ホラ、恭二も早く座って食べようよ!」
突然、足元から声変わりを忘れた男子高校生みたいな声が聞こえてきた。
足元を見れば、そこには二本足で立ち、さらには服を着た猫が立っていた。
こいつの種族はケットシーといい。
アイルランド出身の種族だ。
ケットシーは非常に博学で、時には人間以上に人間を知っていたりする。
ここでのこいつの名前はリディアとなっている。
他の生徒にはリディアは寮で飼っている猫ということにしてあり。リディアも、他の生徒がいる前では人語を話したり、二本足で立つことを禁止にしている。
そうそう、キュラは東三谷高校に通っているが、そこでの名前は
久弥 瀬知(キュウヤ ライチ)
に、なっている。
こいつのもとの姿はドラキュラだ。
ドラキュラは予想通りというか、墓地や古城に住んでいることが多い。
キュラにあったとき、ヴァンパイアとドラキュラの違いを聞かされたのは印象的で今でもハッキリと覚えている。
何でも、ニンニクを嫌うのはドラキュラだけだとか。ヴァンパイアに血を吸われた人間はヴァンパイアになってしまうらしいが、ドラキュラに血を吸われてもドラキュラになることはない。とか。
最初のコメントを投稿しよう!