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「木島、早くしてくれないか?」
このメガネをかけていて、如何にも優等生みたいな男は。
山城 将野(ヤマシロ ショウヤ)
という名前だ。
もちろんこいつもただの人間じゃない。
このいけすかない野郎は誰もが知っているであろう。エルフという種族だ。
こんなやつでもエルフの中で上位の魔法使いだったりする。
「……木島、先、食べる」
この、主要な単語だけを並べている白髪で長髪の女は、シルフと呼ばれる種族であり、シルフィードと呼ばれる場合もある。名前は。
黒田 風蓮(クロダ フウレン)
シルフの種族は風を操るエレメンタル精霊で、本来は飯を食ったり物を手で持つことはできないのだが。エルフである将野の力で作った。ネックレスの力で自分の力を制御している。
今のところ食堂にいるのはこのぐらいみたいだ。
「よし、じゃあ食うかな!」
さすがに腹が減っちまった……。
俺が席に着くと、美姫とキュラもそれぞれ席に着いた。
そんなところで、一人の訪問者が現れた。
「………………こんにちは」
食堂の扉を開き、入ってきたのは。
夏李阿 優(カリア ユウ)♂
彼は俺や美姫と同じクラスであり、ウェアウルフという種族。いわゆる狼男だ。これまた、エルフである将野の力で作ったネックレスで力を制御している。
彼の父親が狼男でその血が優に流れたため、優は狼男になったらしい。
優には双子の姉がいるがそっちには力がないと聞いている。
そして双子の姉がいるため、寮暮らしではないのだ。
「優? どしたの?」
キュラが不思議そうに優を見ている。
他のみんなの優に対する視線も似たようなものだった。
…………将野は一人だけモシャモシャとカレーを食ってたが……。
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