第一話 平和

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「木島、早くしてくれないか?」  このメガネをかけていて、如何にも優等生みたいな男は。  山城 将野(ヤマシロ ショウヤ)  という名前だ。  もちろんこいつもただの人間じゃない。  このいけすかない野郎は誰もが知っているであろう。エルフという種族だ。  こんなやつでもエルフの中で上位の魔法使いだったりする。 「……木島、先、食べる」  この、主要な単語だけを並べている白髪で長髪の女は、シルフと呼ばれる種族であり、シルフィードと呼ばれる場合もある。名前は。  黒田 風蓮(クロダ フウレン)  シルフの種族は風を操るエレメンタル精霊で、本来は飯を食ったり物を手で持つことはできないのだが。エルフである将野の力で作った。ネックレスの力で自分の力を制御している。  今のところ食堂にいるのはこのぐらいみたいだ。 「よし、じゃあ食うかな!」  さすがに腹が減っちまった……。  俺が席に着くと、美姫とキュラもそれぞれ席に着いた。  そんなところで、一人の訪問者が現れた。 「………………こんにちは」  食堂の扉を開き、入ってきたのは。  夏李阿 優(カリア ユウ)♂  彼は俺や美姫と同じクラスであり、ウェアウルフという種族。いわゆる狼男だ。これまた、エルフである将野の力で作ったネックレスで力を制御している。  彼の父親が狼男でその血が優に流れたため、優は狼男になったらしい。  優には双子の姉がいるがそっちには力がないと聞いている。  そして双子の姉がいるため、寮暮らしではないのだ。 「優? どしたの?」  キュラが不思議そうに優を見ている。  他のみんなの優に対する視線も似たようなものだった。  …………将野は一人だけモシャモシャとカレーを食ってたが……。  
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