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俺は辺りを見渡す。
この寮に住んでいて、今ここに居ないのはセイレーンぐらいだろうか。
そのまま優へと視線を移行させ尋ねた。
「優は何か聞いてるか? 日程とか、時間とか……」
それに対し優は首を横にふった。
「………………ううん、最近は特にそういう話は聞かないよ」
「でも……」と優が続ける。
「………………でも……。今日の朝に飛鳥から転校生がくる、って話は聞いたけど……」
姉さんに視線を移せば、姉さんは前を向いたままうなずく。
「どうやって情報を仕入れたかはわからんが、確かに今日は最終的にクラスを決めるため職員室に転校生がくる。明日から登校してくるはずだ。確か名前を[有谷 華野美(アリヤ カヤミ)]といったかな。そいつはただの人間のはずだ」
何か関係あるのだろうか。
そんなことを考えていると。ケットシーという種族であるリディアが考えていたことを見透かしたように話してきた。
「そのカヤミって人は今現在は関係ないんじゃないかな。ナツメさんの動きによっては要注意人物になるかもしれないけどね」
それもそうだな。よし…………。
「キュラ、なんていうか。恭二が真剣な顔をしてるのってやっぱり、毎回この寮に関係があること、だよね」
「まあ、それだけわたしたちのことを思ってくれてるのかもしれないね」
「いつものエロ発言がないのは助かるけどね……」
「……ああ、なんかわかる」
なんか俺が考えをまとめている間にキュラと美姫が盛り上がっていた。まあいいんだけどね。
とにもかくにも、こちらにこれ以上情報がない以上、こっちから動くことはできない。悔しいがここは現状維持が一番だろう。
「みんな!」
俺は席を立ち、みんなを見渡す。全員の視線が集まったのを確認すると、口を開いき。今まとめたことを口にした…………。
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