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「さ、こっち。の前に、優菜ちゃん。荷物を渡してくれ。」
少年は、案内するのに中に入ろうとしていたが、あたしの荷物を持つために引き返してくれた。
優しい人だな。
そう思うあたし・・・。
いやいや、普通の男子と変わらないはず、表向きでは優しい人だけど、裏は狼に違いない。
「優菜ちゃん、そんなに警戒しなくてもいいぜ。俺は、彼女でもない女には手は出さない主義でな。」
やはり、少年はへらへらとしている。
言っていることに嘘がないことは、あたしにはよく分かる。
「よろしくお願いします。」
あたしは、少年に深く頭を下げて挨拶をした。
「よろしくな。」
少年は、あたしの挨拶に快く返事をしてくれた。
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