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「俺は、一年寮の寮長の早瀬一樹(はやせかずき)だ。」
「あたしは、優菜です。」
歩きながら自己紹介をするあたし達。
さすがに話す話題が思い浮かばない。
気まずい雰囲気を壊してくれたのは、一樹君だった。
「あのさ、女子なのに男子寮に入ることになって嫌じゃないのか?」
「寮なんてあたしは関係ないよ。学校が好きだから入ったんだから。」
あたしたちは、ようやく部屋に着いた。
一樹君は、ポケットから部屋の鍵を取り出した。
ガチャリと音を立ててドアの鍵が開く。
思い出したように口を開いた。
「あ、一人で出歩かないようにしてくれな。それと鍵な。」
一樹君は、あたしの手に鍵を渡して荷物を持ち直して部屋の中に入っていく。
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