第二章 入寮します

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「俺は、一年寮の寮長の早瀬一樹(はやせかずき)だ。」 「あたしは、優菜です。」 歩きながら自己紹介をするあたし達。 さすがに話す話題が思い浮かばない。 気まずい雰囲気を壊してくれたのは、一樹君だった。 「あのさ、女子なのに男子寮に入ることになって嫌じゃないのか?」 「寮なんてあたしは関係ないよ。学校が好きだから入ったんだから。」 あたしたちは、ようやく部屋に着いた。 一樹君は、ポケットから部屋の鍵を取り出した。 ガチャリと音を立ててドアの鍵が開く。 思い出したように口を開いた。 「あ、一人で出歩かないようにしてくれな。それと鍵な。」 一樹君は、あたしの手に鍵を渡して荷物を持ち直して部屋の中に入っていく。
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