七夕

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今年も、また会えないのかな?七夕なのに…。 高校の頃は、毎日学校で顔合わせていたから、寂しいなんて思わなかった。 けど、高校を卒業したら靖は専門学校、私は大学。 距離も近距離から遠距離になって、心も離れちゃったのかな? 会いたいよ、寂しいよ。靖が家を継ぐために頑張ってるの知ってるから、会いたいなんて言わない。 織り姫と彦星は、きっと会えるよね?寂しい思いしてないよね? ♪~~♪~♪~~~ 電話?…誰かな?? 「もしもし?杏?」 一番聞きたかった声が受話器越しに聞こえる。靖だ……。 「どうしたの?靖」 普段電話なんて書けてこない靖が電話を掛けて来たから、私はなにかあったのかな?と心配になった。靖は 「なんでもないよ?ただ、杏が寂しがってるんじゃないかと思って」 「寂しがってなんかないもん」 ……ウソ。本当は、すっごく寂しかった。声が聞きたかった。 けど、邪魔しちゃいけないって思ったから、迷惑かけちゃいけないって思ったから、我慢してた。 「ウソだぁ。寂しかったでしょ?」 なんで、靖にはわかっちゃうのかな?私の精一杯の強がり。靖には、全部お見通し。 「寂しかった。話したかった。会いたいよぉ…」 私は、糸がプツっと切れたみたいに泣き始めた。 泣いちゃダメだと分かってても涙は止まらなかった。 「……靖?」 電話の向こうから、靖の声が聞こえなくなった。 嫌われちゃった……。 その時、ドアのチャイムが鳴った。 こんな時間に誰かな?私は涙を拭いて、ドアをあけた。ドアの前に立っていたのは
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